適正使用情報

患者またはその家族への説明

患者またはその家族への説明

アムヴトラによる治療開始に先立ち、患者またはその家族に対して、アムヴトラの有効性、副作用およびその対策など、治療上のリスクとベネフィットを十分に説明し、同意を得てください。

  • アムヴトラとは

    アムヴトラは、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーおよびトランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型および変異型)の治療に使用するお薬です。
    トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、トランスサイレチン(TTR)というタンパク質を作るための遺伝子に変異があることで、産生されたタンパク質(TTR)の構造が崩れて線維化しやすくなり、身体の様々な組織に沈着することで、末梢神経やいろいろな臓器の障害が生じる疾患です。トランスサイレチン型心アミロイドーシスは、TTRが凝集して繊維状になったTTRアミロイド線維が心臓の間質に沈着し、形態的かつ機能的な異常をきたす病態で、野生型(wt)ATTRと変異型(v)に分けられます。
    アムヴトラは、TTR遺伝子からTTRタンパク質が作られる過程の分子(メッセンジャーRNA)を分解し、肝臓でのTTRタンパク質の産生を抑制することで、効果を示します。

  • 有効性

    アムヴトラは、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(HELIOS-A試験)において、同じくトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象としたオンパットロ(パチシラン)の国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)のプラセボ群と比較して、神経障害の指標であるmNIS+7やQOLの指標であるNorfolk QOL-DNスコアなどについて有意な改善が認められています。
    また、野生型または変異型のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(HELIOS-B試験)では、プラセボ群と比較して、全死因死亡、心血管関連入院および心不全による緊急受診のリスクの有意な改善が認められています。

  • 注意すべき主な副作用

    アムヴトラを投与すると、内出血、紅斑、痛みやかゆみなどの症状が注射部位に起きたり(注射部位反応)、ビタミンAが減少したりすることがあります。また、ドライアイ、白目部分(強膜)の変色、消化不良、疲れ、手足のむくみ、関節痛、手足の痛みなどがみられる場合もあります。

〈参考〉

患者またはその家族への説明にあたっては、患者向け冊子「アムヴトラによる治療を受ける患者さんへ」もご活用ください。

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<小冊子> 「アムヴトラによる治療を受ける患者さんへ」の表紙画像