臨床成績

国際共同第Ⅲ相試験(HELIOS-A試験)

薬力学

血清中TTR濃度

(1) 投与18ヵ月時点までの血清中TTR濃度の低下率
[副次評価項目]

TTR PP集団において、投与18ヵ月時点までの時間平均の血清中TTRトラフ濃度の低下率(疑似中央値)は、アムヴトラ群で84.67%、パチシラン群で80.60%であった。両群の差(95%CI)は5.28%(1.17, 9.25)であり、95%CIの下限値が-10%を上回ったため、パチシラン群に対するアムヴトラ群の非劣性が示された(Hodges-Lehmann法)。

投与6~18ヵ月(アムヴトラおよびパチシランともに定常状態の期間)の血清中TTRトラフ濃度(治験薬投与前濃度)の低下率の平均値と定義した。

投与18ヵ月時点までの血清中TTR濃度のベースラインからの低下率(TTR PP集団)

  HELIOS-A試験
  アムヴトラ群(n=120) パチシラン群(n=40)
ベースライン(mg/L)
平均値±SD 206.77±61.23 209.49±65.43
SE 5.59 10.35
中央値(最小値, 最大値) 203.49(58.4, 343.2) 207.53(71.0, 353.2)
投与6~18ヵ月(mg/L)
平均値±SD 39.37±41.84 43.40±28.42
SE 3.82 4.49
中央値(最小値, 最大値) 23.62(3.0, 224.5) 36.63(5.2, 132.7)
投与6~18ヵ月におけるベースラインからの変化率(%)
平均値±SD -80.99±20.96 -78.56±13.63
SE 1.91 2.16
中央値(最小値, 最大値) -86.19-98.3, 55.1) -81.39-97.2, -27.6)
投与6~18ヵ月におけるベースラインからの低下率:モデル推定値(%)
疑似中央値a) 84.67 80.60
中央値の差(アムヴトラ群−パチシラン群) (95%CI)b) 5.28(1.17, 9.25)
注)

投与6~18ヵ月の平均の血清中TTRトラフ濃度(治験薬投与前濃度)を用いて低下率を算出した。ベースライン後の評価には、統計解析計画書(SAP)の定義に合致した血清中TTR濃度のみを用いた。

a)

Hodges-Lehmann(1標本)の中央値

b)

Hodges-Lehmann(2標本)の中央値の差の95%CI。TTR四量体安定化剤の使用歴で層別した。

(2) 血清中TTR濃度の低下率の推移
[探索的評価項目]

アムヴトラ群およびパチシラン群の投与18ヵ月時点までの血清中TTR濃度のベースラインからの平均変化率の推移は以下のとおりであった。アムヴトラ群では、持続的な血清中TTR濃度低下が認められ、投与6週時点においてほぼ定常状態に達した。

また、投与18ヵ月時点の解析において、定常状態におけるトラフ時、ピーク時および時間平均の血清中TTR濃度のベースラインからの低下率(中央値)は、パチシラン群でそれぞれ78.24%、88.29%および81.51%であったのに対して、アムヴトラ群ではそれぞれ86.19%、91.57%および86.88%であった。ピーク・トラフの変動(中央値)はパチシラン群でΔ=10.1%に対して、アムヴトラ群でΔ=5.4%であった。

血清中TTR濃度のベースラインからの変化率の推移(mITT集団)

mITT集団における血清中TTR濃度のベースラインからの変化率の推移のグラフ