アムヴトラについて
ドラッグインフォメーション
添付文書[2022年9月作成(第1版)]に基づき作成
-
2.
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
-
3.
組成・性状
-
3.1
組成
販売名 アムヴトラ皮下注25mgシリンジ
有効成分 1シリンジ(0.5mL)中ブトリシランナトリウム26.5mg
(ブトリシランとして25mg)
添加剤 リン酸二水素ナトリウム水和物:0.2mg
リン酸水素二ナトリウム二水和物:0.7mg
塩化ナトリウム:3.2mg
水酸化ナトリウム:適量
リン酸:適量
注射用水:適量
-
3.2
-
-
4.
効能又は効果
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー
-
5.
効能又は効果に関連する注意
本剤の適用にあたっては、最新のガイドラインを参照し、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの診断が確定していることを確認すること。
-
6.
用法及び用量
通常、成人にはブトリシランとして25mgを3ヵ月に1回皮下投与する。
-
7.
用法及び用量に関連する注意
本剤の投与が予定から遅れた場合は、可能な限り速やかに投与を行い、以後、その投与を起点とし、3ヵ月間隔で投与すること。
-
8.
重要な基本的注意
-
8.1
本剤は、血清中トランスサイレチン(TTR)タンパク質を減少させることにより、血清中ビタミンAの減少を招くことから、ビタミンAを補給するように患者に指導すること。なお、1日推奨用量は約2500IUであり、推奨用量を超えて補給しないこと。また、ビタミンAの欠乏により、眼症状(例:夜盲)等が発現するおそれがあるため注意すること。[12.1 参照]
-
8.2
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者は、心筋症等の心症状を伴うことが多い。本剤との因果関係は明らかではないが、心臓関連死等が報告されているので、本剤投与中は定期的に心機能検査(心電図、心エコー等)を行う等、患者の状態を十分に観察すること。
-
-
9.
特定の背景を有する患者に関する注意
-
9.1
合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1
肝移植後の患者
肝移植後の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
-
-
9.2
腎機能障害患者
重度の腎機能障害患者及び末期腎不全患者を対象とした臨床試験は実施していない。[添付文書 16.6.1 参照]
-
9.3
肝機能障害患者
中等度及び重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[添付文書 16.6.2 参照]
-
9.4
生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊方法を行うよう指導すること。[9.5 参照]
-
9.5
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。母体の血清中TTR又は血清中ビタミンA濃度の低下が胎児に及ぼす影響は不明である。妊娠ラットを用いた胚・胎児発生試験において、30mg/kgで母動物の体重及び/又は体重増加並びに摂餌量への有害作用、また、早産率及び着床後胚損失率の増加が認められた。10mg/kg以上で胎児体重に有害な減少がみられた。[9.4 参照]
-
9.6
授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
-
9.7
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
-
-
11.
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
-
11.2
その他の副作用
3%以上 1~3%未満 頻度不明 眼障害 - ドライアイ
- 強膜変色
胃腸障害 - 消化不良
一般・全身障害および投与部位の状態 - 注射部位反応
- 疲労
- 末梢性浮腫
臨床検査 - ビタミンA減少
筋骨格系および結合組織障害 - 関節痛
- 四肢痛
呼吸器、胸郭および縦隔障害 - 呼吸困難(呼吸困難、労作性呼吸困難、発作性夜間呼吸困難)
-
-
12.
臨床検査結果に及ぼす影響
-
12.1
本剤の作用機序により、血清中のレチノール結合タンパク質及びビタミンAが減少する。ビタミンAを摂取しても血清中ビタミンA濃度は低下するが、代替機序によりビタミンAの輸送と組織への取り込みが生じうるので、血清中ビタミンAの検査結果を基にビタミンA摂取量を変更しないこと。[8.1 参照]
-
12.2
本剤の作用機序により、血清中サイロキシンが減少することがある。
-
-
14.
適用上の注意
-
14.1
薬剤投与前の注意
-
14.1.1
外観に異常を認めた場合や、溶液に変色や不溶性微粒子が認められた場合には、使用しないこと。なお、本剤は、無色~黄色澄明である。
-
14.1.2
冷蔵保存したシリンジは、使用前に個装箱に入れたまま室内で約30分間放置して室温に戻すこと。
-
-
14.2
薬剤投与時の注意
-
14.2.1
投与部位は、腹部、大腿部又は上腕部とすること。同一部位への繰り返し投与は避け、投与毎に投与部位を変えること。
-
14.2.2
皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には注射しないこと。
-
14.2.3
本剤は1回使用の製剤であり、1回に全量を使用し再使用しないこと。使用後は針が格納されるため、分解しないこと。
-
-