アムヴトラについて

製品特性

トランスサイレチン型アミロイドーシス治療3ヵ月に1回、皮下投与のsiRNA製剤

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
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    アムヴトラはRNAi※1によって肝臓でTTRmRNAの特異的な分解を促進し、トランスサイレチン(TTR)の産生を抑制するsiRNA※2製剤です。

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    アムヴトラは3ヵ月に1回投与する皮下注製剤です。

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    トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(HELIOS-A試験)において、以下が示されました。

    1. 主要評価項目である、投与9ヵ月時点におけるmNIS+7のベースラインからの変化量(最小二乗平均値±SE)は、プラセボ群※3で14.76±2.00であったのに対してアムヴトラ群で-2.24±1.43で、両群の差は-17.00でした(p<0.0001、ANCOVA/MIモデル)。
    2. 主な副次評価項目である、投与9ヵ月時点におけるNorfolk QOL-DNスコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値±SE)は、プラセボ群※3で12.9±2.2であったのに対してアムヴトラ群で-3.3±1.7 で、両群の差は-16.2でした(p<0.0001、ANCOVA/MIモデル)。
    3. 投与18ヵ月時点までの時間平均の血清中TTRトラフ濃度のベースラインからの低下率※4は、アムヴトラ群で84.67%、パチシラン群で80.60%でした。両群の差は5.28%であり、パチシラン群に対するアムヴトラ群の非劣性が示されました。
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    野生型または変異型のトランスサイレチン型心アミロイドーシス患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(HELIOS-B試験)において、以下が示されました。

    1. 主要評価項目である、二重盲検期間の全死因死亡および再発性心血管関連イベント(心血管関連入院および心不全による緊急受診)の複合エンドポイントは、全体集団およびアムヴトラ単剤投与部分集団※5の両方で、プラセボ群と比較してアムヴトラ群で統計的に有意な減少を示しました(それぞれHR※6:0.718、p=0.0118、HR※6 :0.672、p=0.0162)※7
    2. 副次評価項目である、投与42ヵ月までの全死因死亡のリスクは、全体集団およびアムヴトラ単剤投与部分集団の両方で、プラセボ群と比較して統計学的に有意な減少が認められました(それぞれHR※6:0.645、p=0.0098、HR※6:0.655、p=0.0454、ログランク検定)。
      また、投与30ヵ月時点の6分間歩行テスト(6-MWT)(それぞれp=7.976E-05、p=0.0005)※8、患者報告による健康状態およびQoL(KCCQ-OS)(それぞれp=0.0008、p=0.0003)※9、およびHF症状(NYHA心機能分類)のベースラインからの変化(それぞれp=0.0217、p=0.0121)※10は、全体集団およびアムヴトラ単剤投与部分集団の両方で、プラセボ群に比べてアムヴトラ群で統計学的に有意に良好な効果が示されました。
    3. 投与30ヵ月時の血清中TTR濃度のベースラインからの低下率(中央値)は、アムヴトラ群で86.8%、プラセボ群で7.9%でした。
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    主な副作用(1%以上に発現)は、注射部位反応、ビタミンA減少が報告されています。

    詳細は電子添文の副作用の項および臨床成績の項の安全性の結果をご参照ください。

※1
RNA interference
※2
small interfering RNA
※3
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象としたパチシランの国際共同第Ⅲ相試験(APOLLO試験)のプラセボ群
※4
疑似中央値
※5
ベースライン時にタファミジスまたはタファミジスメグルミン投与がない患者集団(タファミジス未投与部分集団)
※6
ハザード比(HR):Cox比例ハザードモデルに基づく(共変量:投与群、ATTR-CMの病型、NYHA心機能分類、年齢および対数変換後のベースラインのNT-proBNP)、全体集団の解析においてベースライン時のタファミジスの使用の有無により層別化した
※7
ATTR-CMの病型(野生型、変異型)、NYHA心機能分類(Ⅰ/Ⅱ度、Ⅲ度)、年齢(75歳未満、75歳以上)、投与群および対数変換したベースラインのNT-proBNPを共変量としたロバスト分散推定量を用いた修正Andersen-Gillモデル。全体集団の解析においてベースライン時のタファミジスの使用の有無により層別化した(大きい方のp値の有意水準0.049)
※8
ベースラインの6-MWTを共変量とし、投与群、来院、治療と来院の相互作用、ベースライン時のタファミジス使用の有無(全体集団のみ)、治療とベースライン時のタファミジス使用の有無との相互作用(全体集団のみ)、ATTR-CMの病型を固定効果項に含むMMRM法に基づく(大きい方のp値の有意水準0.049)
※9
ベースラインのKCCQ-OSを共変量とし、治療群、来院、治療と来院の相互作用、ベースライン時のタファミジス使用の有無(全体集団のみ)、治療とベースライン時のタファミジス使用の有無との相互作用(全体集団のみ)、ATTR-CMの病型を固定効果項に含むMMRM法に基づく
※10
死亡、心臓移植、左室補助装置の植込みによる欠損値はⅣ度として、その他の欠損値はMCMC法を使用してRubinのルールに従って多重補完により算出した