アムヴトラについて

作用機序

アムヴトラの構造

アムヴトラは、ESC(Enhanced Stabilization Chemistry)-GalNAc(N-アセチルガラクトサミン)コンジュゲート技術を基盤としたGalNAc結合siRNA製剤です。siRNAに肝細胞で高発現しているアシアロ糖タンパク質レセプター(ASGPR)のリガンドであるGalNAcを3分子結合させることで、肝細胞への迅速かつ特異的な送達を可能にしました。また、ESCデザインにより、すべてのヌクレオチドは2'位がOMeまたはFで修飾され、さらに6つのホスホロチオエート結合を持たせることで、代謝安定性が向上し、肝臓での滞留時間が延長されました。

アムヴトラの構造

アムヴトラの作用機序

アムヴトラは、ASGPRのリガンドであるGalNAcをsiRNAの3'末端に結合させることで肝細胞内に取り込まれるように設計された、第二世代のGalNAc結合siRNA製剤である。肝臓におけるTTR mRNAの特異的な分解を促進し、変異型および野生型TTRの産生を抑制する。

  1. 皮下投与後、肝臓においてアムヴトラのGalNAcリガンドと肝細胞表面に発現するASGPRが結合し、アムヴトラ-ASGPR複合体がエンドサイトーシスによって肝細胞内に取り込まれる。
  2. 肝細胞内に取り込まれたアムヴトラ-ASGPR複合体はsiRNA部分を細胞質内に放出し、ASGPRはリサイクルされアムヴトラの取り込みに再利用される。
  3. 細胞質内に放出されたsiRNA(ブトリシラン)は、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれる。
  4. ブトリシランのセンス鎖が外れて、RISCが活性化する。
  5. 活性化RISCの中でアンチセンス鎖がTTR mRNAの相補的な配列に結合する。
  6. 活性化RISCはTTR mRNAの切断を触媒的に繰り返す。
  7. TTR mRNAが分解され、変異型および野生型TTR(タンパク質)の産生が抑制される。
アムヴトラの作用機序

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